乾燥材かグリーン材か?

構造材は全て乾燥材です。

木材は乾燥することによって、初めて建築材料としての優れた才能を発揮することができます。木材を建築材料として購入するときに、乾燥材(KD材)にしますか、あるいはグリーン材にしますかと、プロの間では必ず聞かれたり、指定をします。

家づくりで、クレームの多くは乾燥の不十分な木材を使うことによって発生していることが多いのです。昔のように家づくりに1年位の工期を設け、乾燥時間をかけられることが少なくなり、都市部の家づくりは、ますます工期が短くなってきています。

建築工法の変化、建築工期の短縮、高断熱、高気密住宅の普及、推進、木材などの自然素材に関してのユーザーの知識不足などがあり、建築現場においては、トラブルや施工後のクレームが少ない品質の安定した木材使用が大変重要になってきています。

乾燥材のメリット

寸法や形が変わりません。
十分に乾燥した木材は、保管や使用過程でほとんど寸法が変わったり狂ったりすることがありません。従って、乾燥材は部材の品質管理の点からも評価されています。
クレームが少なくなります。
グリーン材(未乾燥材)使用によるクレームには、壁の隙間、立て付けの不良。クロスや壁紙の切れ、シワの発生。床鳴り、タイルの目地切れや割れの発生などがありますが、こうしたクレームを大幅に減らすことが出来ます。
都市型の工期の短い家づくりが可能になります。
グリーン材を使って建築した場合は、骨組みが終わってから相当期間自然乾燥が必要になります。乾燥材を使用すれば、工期を大幅に短縮することになり、さらに施工のトラブル、クレームが少なくなり、防ぐことも出来ます。
乾燥すると木材は強くなります。
木材は、含水率が約30%以下になると、乾燥するほどに強くなります。
腐れやカビの発生を防ぎます。
木材の腐朽やカビの発生を防ぎ、いつまでも長く使うためには、常に乾いた状態を保つことが必要です。
乾燥すると軽くなり、輸送、木材の取り扱いが楽になります。
グリーン材は、水分のため非常に重く、木材そのものの重さと同じか、それ以上の水分が含まれていることも珍しくありません。輸送コストばかりではなく、労働安全上もトラックの積載重量を守るためにも乾燥は大切です。

木材は、トレーサビリティのように生産地がはっきりした木材を使用することはもちろんですが、性能のはっきりした木材でなければ使いにくくなってきています。日本の在来軸組み工法で使用され、木材の木組みの美や、木材の木目の美しさをも現す日本独特の建築では、木材の見た目は大変重要ですが、それだけでなく、乾燥という木材を材料として使用する上での最低条件も必要なのです。