基礎工事のこだわり

ベタ基礎

ベタ基礎

スズキ建築設計事務所では、構造上、最も大切な基礎をしっかりと造ります。私たちの家づくりの基礎形式は、基本的に「ベタ基礎」を採用しています。ベタ基礎の場合、建物全体の荷重が基礎全面に平均してかかるため、布基礎に比べ不同沈下しにくく、地震時に地盤が変動しても家屋に重大な被害が生じにくくなるのです。基礎の施工面積が建物全面になり、基礎の剛性が高くなるため、大きな力が外部より働いても変形しにくく壊れにくい建物になります。阪神淡路大地震の時に、私自身調査に行き木造住宅で被害の少ない建物基礎がやはりベタ基礎の建物が多かったということから私たちはこだわり続けています。

基礎のコーナー補強

基礎のコーナー補強

新潟中越地震の直下型地震で特に気になったのが、建物上部の荷重が基礎のコーナーにかなり大きな垂直の荷重として加わるのではないかということです。中越地震では、基礎コーナー部の部分的な割れやヒビが多数見られました。この対策としてコーナーを補強するとか、コンクリートを増し打ちするなどの対策が必要ではないかと(財)住宅保証機構の検査部長篠塚重夫氏が、『住宅保証だより2』の「新潟中越地震と保証住宅」の中で指摘しています。特に瓦屋根のように荷重が大きい場合などはその必要性が高いと述べています。基礎のコーナー部分は、不均等荷重や地震時に負担が集中しやすい箇所です。そこで、基礎のコーナー部をハンチ形状とすることで、強化し、外力をバランス良く分散させ、地盤に力を逃がす重要な役割を果たします。

ステンレス土台換気の採用

基礎に、換気口や点検口・人通口を設けると、基礎の立ち上がり部分の断面欠損が大きく欠き込まれる為に、基礎梁の役目を持っている布部分に、構造上の弱点がが発生するので、欠き込みのない土台ネコ換気を採用しています。

ネコ換気を使用している例は多いのですが、塩ビ素材、プラスチック素材、ゴム素材は、経年劣化を考えると問題があります。可塑剤は環境ホルモンとしても自然界や私たち人類にも悪影響を及ぼす素材であり、それが時間とともに揮発してなくなってくるともろくなってきますし、又、紫外線の影響のある外部に使用するとゴムは劣化スピードが速いので、建物の寿命を考えると、大事な部分が早く劣化してしまうこと考えると問題です。

耐圧盤(底盤部分)と立ち上がりの一体打設採用

一般的な住宅の基礎は、コスト優先の住宅づくりのため、逆T字型の布基礎を採用しているハウスメーカーや建築会社、工務店まだまだ多いようです。次に、他のハウスメーカーや工務店と差別化をするために、ベタ基礎を採用する建築業者も多くなってきました。

しかし、一般的なベタ基礎工事は、ベース部分と立ち上がり部分を2回に分けてコンクリート打設を行う必要があるため、ベース部分と立ち上がり部分との打ち継ぎ部分に、コンクリートの内継ぎ目ができ、コールドジョイント等の問題もあり、耐久性について問題視する声がありました。

私たちは、コンクリート1回打ち用の型枠を採用し、1回のコンクリート打設で、立ち上がりコンクリートと耐圧盤を同時に仕上げられることができます。この1回打ち用の型枠用金物を採用することにより、コンクリートの継ぎ目ができず、建築主の方には、強度が飛躍的に向上した、耐震性に優れた基礎を提供できるように努力しています。

一般的な、ベタ基礎は、どうしてもコンクリートに継ぎ目ができてしまいます。その継ぎ目より亀裂が生じて、水や白蟻の侵入を招くリスクがあり、また、耐久性の問題も無視できません。しかし、コンクリートの1回打ちは、施工が難しく、私共も専門業者と共に、経験を積み積み、今では1回打ちの施工で行っています。

耐圧盤への水抜き穴の施工

基礎工事が完了して、木工事の土台敷き、軸組の立て方(上棟)までと、屋根垂木の施工、野地板工事、それから、屋根工事で、雨が建物の中に入らなくなります。この間、7~10日程度の日数が掛かります。

しかし、天候ばかりは、私たち人間がコントロールは出来ません。その間に運悪く雨にあうと、基礎に水が溜まる恐れがあります。ベタ基礎の場合は、基礎内部に水が溜まり、なかなか排出出来ません。雨水が基礎内部に溜まった状態ですと、湿潤な状態では、カビの発生も考えられるので、なるべく早く排出しなければなりません。

そのため、基礎の各間仕切り区画に、水抜き用のボイド管を設置しておきます。さらには、完成してから生活していて、洗濯途中でホースが抜けてしまって、又は、排水が詰まって、知らない間に水漏れがしていて、と言ったアクシデントが起きないとも限りません。このようなときには、床は施工され床下断熱材も入っており、床下は狭く汲み出すことも難しい場合がありまそのままにしておき、蒸発するまででは、床下から床まで、カビや湿気の影響で床もふくれあがってしまうこともあります。このような、生活してからのアクシデントも考慮した、対策をしておくことが大事なのです。