木造住宅の基礎で、生コンクリートの各種試験していますか?

木造住宅は、小規模な建築物な建築物とあなどって、コンクリートの試験を行わない建築業者もいるようですが、試験を行い報告をすると言うことは、信頼の証なのです。

ベタ基礎の場合は、一体打設を行わない場合は、基礎底版部と立上がり布部分の2回のコンクリート打設になります。

コンクリート打設を行う日は、天気予報を確認し、雨なら当然、中止です。

基礎業者や、コンクリートポンプ業者、生コン業者共、天気予報には敏感です。

コンクリート打設当日は、早めに、基礎業者の担当者は、型枠、鉄筋等をチェックし、コンクリートポンプ車も早めに来て、設置完了の状態です。

コンクリート試験依頼先の担当者も、生コンクリート車の1台目からの採取なので、早めに来てスタンバイしています。

1台目の生コン車が来たら、試験用に使うため、手押し一輪車(ネコ)に生コンを採取します。

コンクリートの1週、4週強度試験用のテストピースを、各3個分で、計6個を採取します。

まず、スランプ試験は、生コンクリートの流動性を検査します。
台形型のスランプコーンと呼ばれる容器に、生コンクリートを入れ、突き棒で、指定回数突いて、スランプコーンを垂直に抜き取り、コンクリートが下がった距離が、スランプ値です。

流動性が高いコンクリートは、コンクリート打設時に作業がしやすいのですが、軟らかすぎるとコンクリートから余剰水が残り、ひび割れが発生しやすくなります。
余剰水が、蒸発すると、コンクリートが収縮し、ヘアクラックや構造クラックのひび割れの原因となります。
コンクリートが硬ければ、流動性が低くなるので、型枠内の隅々まで、コンクリートを行き渡らせるには、バイブレーターを掛けて行い、基礎業者の力量が問われます。

コンクリートが軟らかい方が作業をしやすいので、現場で水を足したり、生コン車の運転者が下垂したりすることがありますが、これには、現場担当者は、厳重に注意をして、「シャブコン」と言われるようなコンクリートにしてはなりません。

スランプ値は、一般的に15~18㎝の範囲で、施工するようになっています。

次に、空気量測定です。
空気量測定は、生コンクリートに含まれる空気の量を測定します。
空気の量が多いほどコンクリートの圧縮強度に影響します。

日本工業規格 では、普通コンクリートでは、「4.5±1.5%」が、適正値とされています。

そして、塩化物イオン濃度測定です。
これは、コンクリートに含まれる塩化イオン(塩分)濃度を測定し、鉄筋のさびの発生のしやすさ(発錆度)を測定します。

塩化イオン(塩分)濃度が高い程、基礎の鉄筋が錆びやすくなります。
骨材として、川砂でなく、海砂などを使用しているときは、十分に注意が必要です。

測定は、カンタブと言われる試験紙か、生コン塩分濃度計を採取した、生コンクリートの中に挿入して測定します。

生コンクリートの塩化物含有量は、原則として、0.30kg/m3以下を規制値となっています。

最後に、圧縮強度試験用のテストピースの採取です。

1週、4週の圧縮強度用として、各3個で、計6個採取しておきます。

コンクリートは時間経過と共に、硬化していき強度が出てきます。
そのため、1週、4週間、経過毎に、テストピースを、コンクリート圧縮試験器に掛けて、圧縮したときの強度を測定します。

最終強度は、4週間(28日)経過した時点の強度が、最終強度になります。

その強度は、設計強度として、設計図書に記載してあります。
4週間経過した、テストピースでの圧縮強度試験で、それ以上の強度が出ていなければなりません。

圧縮強度の数値が出ていなかったら、基礎工事からのやり直しになります。

そのようなことにならないよう、信頼のおける基礎工事業者をパートナーとしています。

私どもでは、「荷重が軽い木造住宅だから‥」とか、「小規模な建築の場合は不要‥」、「木造戸建て住宅の場合はいいや」とか、と言う、考えを捨て去り、信頼の証として、お客様が一生涯住む家の基礎から確実に造り上げるために実施しています。

まとめ

スランプ値は、一般的に15~18㎝の範囲で、施工

コンクリートの空気量は、普通コンクリートでは、「4.5±1.5%」が、適正値

生コンクリートの塩化物含有量は、原則として、0.30kg/m3以下を規制値

コンクリートの4週の圧縮強度は、
住宅基礎用コンクリートの基準は日本建築学会JASS5では、
・基礎設計に用いる強度(設計基準強度)は、18N/mm2 と規定されています。

4週間後の、最終強度試験で、設計強度を下回ることが無いように、実際には、設計強度以上の呼び強度の生コンクリートを注文します。

コンクリート打設時の現場担当者の、その他注意としては、
前面道路の交通整理の状況や、生コン打設終了後のコンクリートミキサー車の水洗いが近隣、周囲に迷惑を掛けないように気配りすることも大事です。