国産無垢材へのこだわり

国産無垢材の家

なぜ国産の「無垢材」にこだわるのか?

集成材の問題の第1として、接着剤の耐久性についての問題です。「接着剤で貼りつけたものはいつか剥がれるのでは?」という不安があります。国の検査機関やメーカーに問い合わせても「剥がれることはありません。」と、同じ回答が返ってきます。本当にそうなのでしょうか?

集成材が住宅に使用される場合、大半は屋根や外壁で囲まれた屋内で使用されますが、変動する気温・湿度環境にさらされます。更に、暖房、空調を使うため室内空間での湿度の変化低下は著しいものがあります。また、キッチンや浴室廻りでは、温湿度も高くなったり、屋根の下部分では、70~80度に達することがあります。屋外になると、水や紫外線などにさらされなお過酷な条件となります。そして、それらは、住宅が建っている間繰り返されるのです。

接着性能を低下させる要因(劣化要因)には、様々な要因がありますが、最も大きな影響を及ぼすのは、「熱」、「水分」、「応力」です。接着剤の主成分は、もっぱら高分子であり、熱、水分によって大きく影響されます。温度が上がれば軟化し、極端な場合は分解します。水分は可塑剤あるいは溶剤として作用するのでこの傾向は促進され、更に、木材は水分の吸収・放湿によって膨張・収縮を生じるために、外力に加えて内部からの応力が接着層に加わります。例えば、同じ厚さの2枚の板目材(ラミナ材)を接着し、1方の板だけが一様に16%の含水率が変化したとすると、タモ152,ナラ142,ベイマツ62Kgf/c㎡の大きな材を破壊しようとするせん断力が接着層に働くのです。輸入材のベイマツで1c㎡の面積に約大人一人の体重が働くのです。この値は接着剤によっては、これだけで接着層が破壊してしまうほどの応力です。実際には、このような応力が繰り返しかかるので、接着層が疲労してくるのです。

集成材メーカーや、使用しているハウスメーカーは、耐久性を誇示するために古い例として紹介していますが、接着していないので剥離の耐久性の例にはならないのです。何年もつのかは、実際に使用する条件下で使用して実績を積み上げていく事が良いのですが、それでは、製品や技術が先へ進まないので、影響の最も大きい「熱」と「水分」との組み合わせで過酷な環境を人為的に造り、その中に製品の試験片を入れて耐久性の評価をする方法なのです。

構造用集成材に最も多く使用されている耐久性の高い「レゾルシノール」は、72時間連続煮沸試験に耐えるものです。従って、規格に記されている条件下では、剥がれることはないという前提に立って話しているだけのことなのです。しかし、使い方、使用環境を誤ると、極めて簡単に剥がれてしまうことも事実なのです。同一接着剤、同一樹種木材を用いても条件によって定量的に同じ耐久性を示すとは限らないのです。更に、人間は必ず過ちを犯すことがあり、作業ミス、混合・濃度ミス等数えたらきりがありません。また、製造企業のモラル、検査、検品システムの問題もあります。そのため、国土交通省などは、集成材は大丈夫という姿勢をとってきましたが、日本と同じく勤勉で、規則を守り、技術も優秀とされるドイツで製造され日本に輸入された「2001年6月から2002年6月までに出荷された総量1万2611立法メートル、33万1133本。日本国内の構造用集成材供給量全体の約1.0%に当たります。

輸入会社はニチメン、伊藤忠ランバー、三井物産林業、丸紅建材、アサノ、ナカムラ、ユアサ商事。ドイツの輸出業者は「クーリック&ルルマン」の集成材に剥離事故が発生したのです。そして、次には中国で製造され、輸入された集成材にやはり剥離事故が起きたのです。国土交通省は、情報収集をして、関係団体へ通知をして対策を取るとか、さらに関係団体に対して、消費者からの問い合わせに対する窓口を直ちに設置するよう依頼したなどとしたようですが、このことをどれだけの消費者がしていたかと云うことです。また、現在供給されている住宅の大半が、大壁構造のため、構造用集成材の柱や梁が天井裏や壁の中でチェックが出来ないのが実情なのです。やはり、お役所的であり、自分のことでないのでおざなりな対処なのかもしれません。