木組みを魅せにくくなる省エネルギー制度

国土交通省補助事業の、住宅省エネルギー技術施工技術者講習を受けました。
講習は、テキストに沿って行われますが、「気球温暖化とエネルギー問題」から、入るので何も異論を唱えることは出来ません。
しかし、講習が終わって思うことは、国産材の柱や梁を現わしての真壁工法の家づくりが出来ないわけではないのですが、造るのには大変難しくなってきています。
特に、次世代省エネルギー基準(平成11年基準)・等級4を、満足する断熱仕様となると、国産材の柱を室内に現わし,木の魅力を見せるような家づくりは難しく、大壁構造になり、壁の中の柱は木造の柱だったと言うような家づくりななってしまうようです。
テキストは、合板と石膏ボードを中心に記載されており、これでは、特段、国産材の柱を使う必要も無く、仕上げ部分のテクスチャーの違いだけになるような記載です。

木の家を建てたいという人達は、木の柱や梁を現わして、その木を室内の

空間に魅せ、楽しみたいのです。

国産材の家づくりにこだわり続けて家づくりしている我々は、柱や梁、構造体の力強さも,デザインの一部です。
知恵を出すことで、そのような家づくりが出来なくなるわけではないのですが、コストがより多くかかるようになってくることと、石油化学建材を排除しようとして、努力してきたのですが、住まいの外皮については、使用せざる得なくなってきているのが残念です。
木の住まいの魅力は、住む人達の身近に現わして使用し、木を魅せることで木の温もりと、木肌の優しさ、木組みの力強さなどなのです。
国産材の需要の拡大を、林業や製材業界が願っているようですが、見えない構造体は、国産材でなくても、価格が安ければ、なんでも良いというようになってしまうのではないかと心配です。
国産材を使用したら、ポイントを補助するような制度を考えているようですが、これも、税金を使って、それも、国債発行して、国の借金を増やすようなやり方に、国民の同意は得られるのだろうか?
今日は、住宅省エネルギー技術施工技術者講習に参加し、日本の住宅はますます、,大壁構造のビニルクロス住宅かになっていくような気がしました。
プレカット業者とボード下地大工さん、新建材と、ビニルクロスの家が多くなっていきそうです。
国産材で造作材を加工するような家づくりはますます遠くなっていきそうです。
そういえば、自分で製材して、柱や、梁、造作材まで加工して、家を建てている大工さんが言っていました。
今の大工さんは、ボードを貼ることの繰り返しをやっていて、楽しいのかなぁーと。
鈴木 明